※この記事は2021年6月に書かれたものです。
2021年11月よりタイ政府は、日本などからの入国者を対象に隔離無し入国を認めております。
したがって、当時の記録用としてこの記事を残していますが、このプーケット・サンドボックスの記事は現時点ではあまり意味をなさないと思います。
隔離無し入国の記事の方が有用かと思われますので、詳しくは「タイは2021年11月より隔離無し開国へ【Test&Go】」をご覧ください。
タイ王国は2021年7月1日より、プーケット県にてワクチン接種者を検疫隔離無しで観光受け入れを開始しました。
このサンドボックスとは、最初の14日間はプーケットに滞在し、その後タイ王国全土へも出かけられるというものです。
現状では、タイ入国後14日間はASQホテルと呼ばれる隔離ホテル内で過ごさなければならないです。
部屋に閉じ込められるのが基本なので、発狂してしまいそうな話ですよ。
一方、プーケットサンドボックスでは、14日間のプーケット滞在期間中もプーケット県内を観光できるため、とても大きな進展だと言えます。
一方で、サンドボックス構想が出てきた当初に想定していたより制限や手続きが多いと、個人的には感じています。
アメリカやEUのように、気軽に旅行に行けるといった感じではありません。
ここでは、現時点で分かっている情報を簡単にまとめていきます。
なお、内容は日々更新されるため、実際に旅行を検討される際はタイ王国政府などが発表する最新情報を確認されることを強くおすすめします。
ワクチン接種者は隔離無しでプーケットから入国できる
2021年7月1日から、タイ政府が定めるワクチンを所定の回数接種してから14日~1年の人で中・低リスク国から入国する人はプーケット県内に限り入国できます。
以下はタイ政府が見込む主な観光収入源ですが、日本からの観光客がもたらす(であろうと皮算用した)収入もキッチリ含まれています(笑)
ところが、下で書きますが、6月28日時点の情報によると日本はプーケット・サンドボックスの対象にならないようです・・。
画像出典:Bangkok Post
https://www.bangkokpost.com/business/2124663/virus-variants-to-dictate-phuket-stays#group=nogroup&photo=0
対象のワクチンはタイ政府またはWHOが認めたワクチンですので、日本が承認しているファイザー、モデルナ、アストラゼネカ製のワクチンは対象です。
これらのワクチンを2回接種し、入国時に接種後14日後~1年以内であることが隔離無し入国の条件です。
6歳~18歳未満の入国者についてはワクチンの接種は要件ではありませんが、プーケット国際空港到着時に新型コロナウイルス迅速抗原検査を自費で受けなければなりません。
親権者と入国する6歳未満のこどもについては、ワクチンの接種証明や検査は必要ありません。
ちょっと前の情報だと12歳未満のこどもは検査不要とのことでしたが、6歳未満まで引き下げられたようです。
プーケット国際空港に到着したら
Thailand Plus
プーケット国際空港に着いたら、いつものようにイミグレでパスポートと必要書類をチェックします。
あとで触れますが、用意する必要書類も多く、結構面倒です。
それと、入国までにThailand Plusというスマホアプリをインストールしてアクティベートしましょう。
日本からでもインストールできます。
このThailand Plusは位置情報のトラッキングに使われ、店などに入る際にもQRコードを読み込ませる必要があることから、スマホは常に携帯しなければならないものであると思われます。
SHA
プーケット国際空港からホテルへ向かう際には、SHA(Safety and Health Administration)認定のバスやツアーオペレーターの車でなければなりません。
また、ホテルについてはSHA+認定のホテル(SHA認定かつ従業員全員がワクチン接種済のホテル)のみ宿泊可能です。
14日間のプーケット滞在中は、基本的にSHA認定の業者のみ利用できると考えておくべきです。
SHAの概要や認定業者についてはこちらから確認ください。
14泊はプーケット県内のSHA認定ホテルに滞在することになりますが、14日未満でもプーケット県内の観光のみであれば(つまり他県に行かないで帰国するのであれば)、いつでもプーケット国際空港から帰国可能です。
同じホテルだけだと飽きるでしょうから、7泊した後にはプーケット内の他のSHA+認定ホテルへ移ることも可能です。
14日間の滞在中について
プーケットに滞在中の14日間もプーケット県内の観光は可能です。
ですが、レストランやツアーなどは全てSHA認定の業者を利用しなければなりません。
5日目にPCR検査を受け、陽性であれば病院へ送られます。
陰性であればSHA認定業者が催行する、ピピ島やヤオノイ島、パンガー湾への日帰りツアーに行けます。
滞在中はTahiland Plusで毎日健康状態などを報告しなければなりません。
14日間プーケットに滞在すれば他の県へも移動できますが、出発の72時間前にPCRテストを受けて陰性であることを確認します。
日本からプーケットへ行ける?
対象日本もサンドボックスの対象に
サンドボックス開始当初、日本はサンドボックス対象国に含まれていませんでした。
その後、日本からビジネス目的でのサンドボックス入国が認められ、現在は日本から観光目的でもサンドボックスでの入国が可能です。
⇒⇒⇒ サンドボックス対象国リスト
日本からプーケットへの直行便はない
この記事を書いている6月8日時点で日本からプーケットへの直行便はありません。
また、タイ国際航空などが日本からプーケットへの直行便を飛ばす計画も現時点ではありません。
プーケットからの入国は日経などの報道では原則直行便のみとのことでしたが、最近の英語メディアの情報では例外措置としてバンコク・スワンナプーム国際空港からの乗り換えも可能になりそうとのことです。
その際は、スワンナプーム空港の乗り換え制限エリアのみ利用可能との情報です。
よって、乗り換えが出来れば日本からもチャンスあり、直行便のみなら行けません!
この点については、スワンナプーム空港でサンドボックス専用の乗り換えターミナル利用が必須など諸条件があるようなので、あらかじめ航空会社に問い合わせた方がよいと思います。
さっきの皮算用は成立しまへんな。
タイ入国時に必要な書類
残念ながら、プーケットサンドボックスが開始されても、以前のようにパスポートひとつでタイに入国できるようではありません。
以前、ワクチンパスポートについて書いた記事でも入国に必要な書類について触れましたが、ASQでの入国と若干内容は異なれど似たような書類が必要になります。
- ワクチン接種証明書
- SHA+認定ホテルの予約を確認できるもの
- 入国許可証(COE)を取得
- 渡航72時間前以内の英文PCR検査陰性証明書
- COVID19に対応した10万USD以上支払われる医療保険の英文保険証
- 健康質問票(T.8 Form)
なお、搭乗可能健康証明書(Fit to Fly)は2021年4月1日より不要となりました。
いつまで経っても海外行けませんな。
ワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)の発行について
日本政府は7月下旬からワクチン接種証明書を発行すると発表しました。
このワクチン接種証明書は海外渡航時に利用することを想定したもので、プーケット・サンドボックスで入国する際にも必要な書類です。
当初は速やかに発行できるよう紙での交付を予定し、その後にデジタル証明書に移行する計画とのことです。
この接種証明書はお住いの市区町村が発行します。
当面の間は、交付対象者はパスポートを保有している人で、証明書にパスポート番号の他に氏名や国籍、接種日が記載されます。
私の予想ではありますが、おそらくこの接種証明書は政府のワクチン接種記録システム(VRS)に登録されなければ発行されないのではないかと思います。
その場合、例えば接種券が届く前に職場接種を受けても接種証明書がなかなか交付されなかったり、VRSへの入力の遅れで証明書を受け取ることができないなんてことも考えられます。
いずれにしても、日本でもいよいよワクチンパスポートが導入されることになったことは海外旅行再開への大きな一歩ですね。
おわりに
以上、プーケットサンドボックスについて見てきました。
まだまだ不明な点が多く、今後も変更点が生じるでしょうから、皆様におかれましても複数の情報源から最新の情報を集めることをおすすめします。
正直、当初思ってたより制限が多く、隔離無しと言っても自由な旅行とは程遠いなという感想です。
アメリカは誰でもウェルカム状態ですし、EUも夏からはワクチンを接種すればかなり自由に動けるのと比べると、まだまだタイに行こうと言う気になれない方も多いと思います。
10月1日以降はバンコクやパタヤなどでもサンドボックスをスタートさせる予定ですが、今のままの制度ではどれだけの人が来るのかと感じますね。
プーケットにコンドミニアムを持っていたり家族の家がある人は、14日間もホテルに滞在するなんてナンセンスだと感じることでしょう。
今後サンドボックスの地域を広げていけば、この不満は大きくなると思います。
まだまだタイのワクチン接種状況は欧米ほど進んではいないので仕方がないですが、せめて10月頃にはワクチン接種に加えて7日間の県間移動の制限とPCR検査くらいで勘弁してもらえないものですかね。
タイの国営報道機関の報道によると、プラユット首相は6月16日、コロナの感染拡大のリスクがあっても120日以内の開国を目指すと表明しました。
120日以内の開国が実現するかは分かりませんが、タイはコロナの感染リスクを受け入れても経済を再開させるフェーズに入ったと言えます。
それと忘れちゃいけないのが我々日本です。
日本でもワクチンを接種した人についてはなるべく早い段階で帰国後14日間の自主隔離を免除してほしいものです。
関連記事⇒⇒⇒ ワクチンパスポートを発行も検疫隔離措置は当分続きそう
もろもろ考えると、現実的にタイ旅行はもうちょっと先かなって気もしてきますね。
そうは言っても、プーケットサンドボックスはタイ旅行再開に向けての大きな一歩です。
このプーケットサンドボックスは実験的な位置づけでありますから、今後さらなる規制緩和が期待できるでしょう。