タイ王国が新型コロナワクチン接種で旅行者を受け入れる見込み【ワクチンパスポート】

新型コロナウイルスにより、事実上不可能となってしまっている海外旅行。

2020年3月頃から国際的な交通がほぼストップしており、

いつになったら自由に海外旅行に行けるんじゃい!

と気を揉んでいる方も多いと思います。
今回はそんな方に関心を持ってもらえるであろう話題を投稿します。

先日、タイ国政府観光庁(TAT)の長官がワクチン・パスポートの導入で隔離無しで外国人観光客を受け入れる案を提言したというニュースが複数メディアから出されました。
TATは日本人にも馴染みのあるAmazing Thailandのサイトを運営している機関でもあります。

そこで、今回はTAT長官の提言の内容とワクチン・パスポートの課題や私見を述べたいと思います。

なお、私は医学や薬学・感染症学等の専門家ではありませんのでワクチンの有効性などの判断は出来ません。あらかじめご了承ください。

タイ国政府観光庁(TAT)長官の提言について

提言の内容

現在、タイ王国は他の多くの国と同様、自由に観光などで入国できる状態にはありません。

それにより外国人観光客の訪タイはほぼ無く、GDPの20%を占めるとも言われる観光業は大打撃を受けている状態であります。

そんな中で今回TAT長官が提言したのは、新型コロナワクチンの接種を受けた外国人は隔離無しでタイに観光などで訪れることができるようにするという、いわゆるワクチン・パスポート構想です。

タイ王国政府系の報道機関であるNBTのツイートをソースとして下に貼っておきます。

またこれに関連して、タイ国観光評議会(TCT)は ”Welcome Back to Thailand Again” と題した観光促進キャンペーンを2021年7月頃から展開することを目標としています。

内容的には上記同様ワクチンを接種した人は隔離無しで入国できます、というものです。

更にNBTの報道によると、プラユット首相もタイ外務省に対してワクチンパスポートの運用や海外での議論の状況を調査するよう指示したとのことです。

正直、ピパット観光スポーツ大臣はリップサービスが過ぎるので、プラユット首相がワクチンパスポートを検討しているという情報はとても重要だと思います笑

現状は絶対タイに旅行には行けないの?

実は現在でも日本からタイに観光に行くことは可能です。

ただそのためのハードルはとても高く、ざっと思いつく限り列挙しただけでも以下の条件をクリアしないとタイに観光には行けません。

  • タイ入国前に観光ビザ(TR)または特別観光ビザ(STV)を取得
  • 15泊分の隔離ホテル(ASQ)を自分で手配して入国後そこに隔離される
  • COVID19に対応した10万USD以上支払われる医療保険に加入する
  • 数少ないタイ行きの飛行機を手配する→しかも値段が高い
  • 入国許可証(COE)を取得
  • 搭乗可能健康証明書(Fit to Fly)の取得 ⇒2021年4月1日から不要になりました
  • 渡航72時間前以内のPCR検査陰性証明書の取得
  • 日本に帰国後は14日間の自主隔離

上記の他にも細かい手続きやハードルがあると思います。

この条件をクリアしてまでタイに観光に行きたがる人はほとんどいないのが現実です。

タイのワクチン・パスポート構想は実現するのかな?

正直分からないです!

現時点ではTAT長官やTCTが言っているだけなので、観光スポーツ庁やプラユット内閣が却下する事も十分あり得ます。

それとタイ政府って、コロナ対応に限らず言っている事がコロコロ変わるのでアテになりません笑 

これはタイ人やタイに関わりがある人の共通認識だと思います・・。

 
P’hiro
とりあえず思いついた事言うだけ言って、あとから無かった事にするのが得意なんだよなー

ワクチン・パスポートについて

ワクチン・パスポートの現状

2020年12月から新型コロナワクチンの接種が開始され始めて、ワクチン・パスポート構想についても議論されるようになってきました。

先ほども触れましたが、ワクチン・パスポート構想とはワクチンの接種を受けた人が持つ証明書等で、これを大規模イベントの参加要件や海外旅行に活用しようという構想です。

IATA(国際航空運送協会)が2021年3月末までに提供しようと準備している健康証明アプリ「IATAトラベルパス」にもワクチン接種履歴を認証できるようになるため、ワクチン・パスポートのひとつと言えます

ワクチン・パスポートと似たような制度は既に存在しており、例えばガーナはイエローカード(黄熱予防接種証明書)の取得が入国の条件となっております

タイのような主要観光立国がワクチン・パスポート制度を導入すれば、他の国も追随する可能性が高くなると考えています。

ワクチン・パスポートの論点

ワクチン・パスポートはいち早く海外旅行を再開させたい人にはとても良いアイディアのように感じますが、やはり議論の余地がある点があるようです。

そもそもワクチンで感染の拡大を防げるのか

これに関しては私は医療や薬学、感染症学等の専門家ではありませんので判断できない事ですが、仮にワクチンで感染の拡大が防げないとなるとワクチン・パスポートは意味をなさなくなるでしょう。

ワクチン接種を受ける・受けないの自由意思が制限される可能性

過度にワクチン・パスポートが必要な場面が増えると、事実上本人の意思に関わらずワクチン接種を受けざるを得ないことになりかねません。

例えば、コンビニやスーパー、レストランなどに入店するにもワクチン・パスポートの提示が求めらることになったら、まともな社会生活を送るにはワクチンを接種せざるを得なくなります。

これでは、ワクチンを受けたくないという人の意思を尊重しているとは言えません。

また、ワクチン・パスポートを提示する場面が増えると氏名などのプライバシーが守られないことも考えられますね。

この点を考えるとワクチン・パスポートは入国審査など日常生活に支障を来たさない限られた場面でだけ導入するのが好ましいと思います。

一度ワクチン・パスポートを導入すると様々なワクチン接種を要求されかねない

これは私が懸念していることなのですが、一度ワクチン・パスポートというシステムが出来上がって世界的に導入されると、今後海外旅行に行く際はインフルエンザ予防接種を受けなければならないなど、指定されるワクチンの種類が増えそうな予感がします。

一度システムを作れば、ワクチンの種類を増やすことはそんなに難しい事ではないでしょうからね。

 
P’hiro
そうなったらお金かかるし面倒すぎる

ただ、逆に言えば今後また他のウイルスでパンデミックが起こっても、今回よりはスムーズに事が運ぶという利点もありますけどね。悩ましい・・。

日本でも7月下旬よりワクチン接種証明書を発行開始

日本政府は7月下旬からワクチン接種証明書を発行すると発表しました。

このワクチン接種証明書は海外渡航時に利用することを想定したもので、プーケット・サンドボックスで入国する際にも必要な書類です。

当初は速やかに発行できるよう紙での交付を予定し、その後にデジタル証明書に移行する計画とのことです。

この接種証明書はお住いの市区町村が発行します。

当面の間は、交付対象者はパスポートを保有している人で、証明書にパスポート番号の他に氏名や国籍、接種日が記載されます。

私の予想ではありますが、おそらくこの接種証明書は政府のワクチン接種記録システム(VRS)に登録されなければ発行されないのではないかと思います。

その場合、例えば接種券が届く前に職場接種を受けても接種証明書がなかなか交付されなかったり、VRSへの入力の遅れで証明書を受け取ることができないなんてことも考えられます。

いずれにしても、日本でもいよいよワクチンパスポートが導入されることになったことは海外旅行再開への大きな一歩ですね。

まとめ

今回は、タイの観光庁がワクチン・パスポートの導入を検討しているという話からワクチン・パスポートの論点について話してきました。

私はいち早く旅行に行きたいので、個人的にはワクチンを打てば自由に旅行できるというならぜひとも早くワクチンを接種したいですし、ワクチン・パスポートも大歓迎です。

ただ、このワクチン・パスポートをいつまでも続けることは反対です。
いつまでもワクチン・パスポートを使い続けていては、ワクチンを接種しないと決めた人の移動の自由を制限することに繋がります。

現状のような非常事態で全ての人が移動の自由を制限されている中で、その例外的措置としてワクチン・パスポートを活用するのは好ましいと考えます。

しかし、海外旅行の再開時には時限的措置としてワクチン・パスポートの提示がスタンダードになったとしても、このパンデミックが収束したらワクチン・パスポート制度は停止すべきと考えます。

今回のタイ国政府観光庁の長官の提言が実現するかは分かりませんが、タイは今までは2週間の隔離が入国の絶対条件でしたので、条件付きとは言えそれを緩和しようとする動きは一歩前進かなと思います。

1日も早く、自由に世界を旅できる日が戻って来てほしいと願っています。

【3月29日追記】早ければ2021年7月1日からワクチン接種を条件に隔離無しでタイに入国できる見込み

今後のタイの旅行客の受け入れについてですが、報道によると2021年7月1日からワクチン接種を条件にプーケットで旅行客を隔離無しで受け入れる方向で検討しているそうです。

さらに、2021年10月1日からはタイ全土でワクチン接種を条件に旅行客を隔離無しで受け入れる方向でも検討しているとのことです。 

⇒⇒⇒プーケット・サンドボックスまとめ【2021年7月1日隔離なし入国開始】

まだ詳細については不明ですし実際に実現するかは分かりませんが、今年中にタイ旅行に行ける可能性が出てきましたね。

いずれにしてもワクチン接種は必要でしょうから、日本政府にはワクチンの調達や接種体制の整備に注力してほしいと思います。

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