ANAの上級会員は前年のプレミアムポイントに応じて翌年度にアップグレードポイントが付与されます。
このアップグレードポイントは、座席をアップグレードできたり、同伴者のラウンジ入室に使えたりするポイントで、その名の通りANAでの旅をアップグレードできるポイントであります。
このアップグレードポイントを利用するには諸条件があるため、使いにくく感じる場面もあります。
私の場合、国際線のビジネスクラスにアップグレードしたい願望を持ちつつ、結局は国内線の普通席からプレミアムクラスでアップグレードすることがほとんどです。
あなたもアップグレードポイントを有効活用しようと思っているうちに有効期限が来てしまい、泣く泣くスカイコインに交換したなんて経験ありませんか?
ここでは、アップグレードポイントの概要を説明し、なぜ私が結局国内線のプレミアムクラスで使うのかを説明したいと思います。
アップグレードポイントの概要
ANAのアップグレードポイントは上級会員だけが得られる特別なポイント
アップグレードポイントは、1月~12月までの間に有償(スカイコインでの支払いを含む)でANAグループ便に搭乗した際に付与されるプレミアムポイントに応じて獲得できるポイントです。
アップグレードポイントは翌年4月から1年間有効で、ポイント利用で座席のアップグレードや、ブロンズ会員・同伴者のANAラウンジへの入室、スカイコインへの交換などができます。
アップグレードポイントを獲得できる人はANAマイレージクラブのプレミアムメンバーに限られ、具体的には、
- ダイヤモンドメンバー
- プラチナメンバー
- ブロンズメンバー
- スーパーフライヤーズ会員
が対象となります。
上で書いた通り、アップグレードポイントの有効期限は1年間と短いので、使える場面では出し惜しみせずバンバン使っていくというのが基本戦略になると思います。
アップグレードポイントの獲得方法
先ほども書きましたが、前年1月~12月に貯めたプレミアムポイント数に応じて4月にアップグレードポイントが付与されるのが基本です。
プレミアムポイントはマイルでとった特典航空券では獲得できず、お金やスカイコインで購入した航空券でないと貯まりません。
また、アップグレードポイントの対象になるプレミアムポイントはANAグループ便の搭乗のみ有効で、他のスターアライアンス便に搭乗して獲得したプレミアムポイントはアップグレードポイントのカウント対象外となるので注意が必要です。
獲得できるアップグレードポイントは以下の通りです。
画像出典:ANA
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/upgrade-point/
上記の通り、上級会員であれば年に1回でも有償でANAグループ便に乗ればアップグレードポイントは4ポイントがもらえます。
4ポイントあれば国内線で普通席からプレミアムクラスにアップグレードできますので、例えばスーパーフライヤーズ会員なら理論上、年に1回だけ国内線普通席の航空券を買って、それをプレミアムクラスにアップグレードする無限ループも可能です。
年に1回の楽しみでプレミアムクラスに乗れるのは、なにげに太っ腹なシステムだと思いますよ。
そして、スーパーフライヤーズ本会員かつダイヤモンド、プラチナ、ブロンズメンバーである人には上記の他に一律4アップグレードポイントが付与されます。
なお、スーパーフライヤーズ家族会員に関しては上記4ポイントの付与対象外ですのでご注意ください。
アップグレードポイントの使い道
獲得したアップグレードポイントの主な使い道は次の通りです。
- 国際線の座席をプレエコやビジネス、ファーストクラスにアップグレード
- 国内線の座席をプレミアムクラスにアップグレード
- ブロンズメンバーやプレミアムメンバーの同伴者のANAラウンジへの入室
- 1アップグレードポイントを1000スカイコインに交換
座席アップグレードについての詳細は後述しますが、国際線と国内線とではアップグレードの必要ポイントや利用条件が異なり、国際線のアップグレードは国内線と比べて条件が厳しめです。
アップグレードポイントでのANAラウンジへの入室について
ブロンズメンバーや同伴者がANAラウンジに入室する際に必要なポイントは、国内線では一人当たり2ポイント、国際線では3ポイントです。
なお、ダイヤモンドメンバーの同伴者は国内線、国際線ともにANA SUITE LOUNGEへ入室できます。
国内線のANA SUITE LOUNGEへの入室は一人当たり2ポイントですが、国際線では4ポイントです。
ちなみにブロンズを除くプレミアムメンバーの同伴者は1名までは無料で入室できますので、同伴者が2名以上の場合の利用が想定されいます。
ANAラウンジへの入室は国内線は3,100円、国際線は事前予約で4,000円で入室できますので、ラウンジ利用でのアップグレードポイントの価値は1,500円前後となります。
後述のスカイコインとの交換よりはレートは良いですが、やはり座席のアップグレードの方がお得な場合が多いです。
アップグレードポイントとスカイコインの交換について
これは一応キャンペーンとの位置づけですが年中開催されてるものなので、事実上アップグレードポイントの最後の使い道と言えます。
1アップグレードポイント=1,000スカイコインに交換できます。
1スカイコインはANAでの使用で1円と同等ですので、1アップグレードポイント=1,000円ですね。
アップグレードポイントは4月から翌年3月末までの1年間で失効してしまうため、使いきれなかったアップグレードポイントはスカイコインに替えちゃいましょう。
ただ、アップグレードポイントの利用価値としては低い方ので、なるべく座席のアップグレードなどでポイントを消化したいものです。
本音は国際線のアップグレードで使いたい
本音を言えば、エコノミーから国際線のビジネスクラスにアップグレードしたいですよ。
最近のビジネスクラスはフルフラットの座席で寝ていけるので、熟睡できてとても快適ですよね。
でも結局、ビジネスクラスはアップグレードをすることはなかなかないんですよね。
国際線のアップグレードは対象の予約クラスの航空券のみ有効
国際線のアップグレードが狙いにくい大きな理由はこれです。
基本的に安い航空券はアップグレードの対象になっていないのです。
下の例はとある日のHND-SINの予約画面です。
ご覧の通り、一番安いエコノミークラスのValueではアップグレードは対象外です。
プレミアムエコノミーでも、Super Valueではアップグレード対象外です。
エコノミークラスのBasicであればアップグレードの対象です。
Basicは予約変更が可能でアップグレードの対象とはいえ、この例ではValueの約3倍弱の価格ですから買うには少し気合が要りますね・・。
そして、この便の一番安いビジネスクラスのチケットは131,410円です。
エコノミーのBasicとビジネスクラスのValue Plusの価格差は32,500円と絶妙な設定です。
アップグレードポイントの単価を考えると国際線での利用は価値が高い
上の例ではアップグレード可能なエコノミーのチケットと、一番安価なビジネスクラスのチケットの価格差は32,500円でした。
一方で、HND – SINでエコノミークラスからビジネスクラスにアップグレードする際に必要なアップグレードポイント数は8ポイントです。
各路線のアップグレードに必要なポイント数は、こちらのANA公式サイトをご覧ください。
よって、アップグレードポイント1ポイントあたりの単価は4062.5円となり、スカイコインと交換するより4倍価値のあるポイントの利用方法となります。
後でお話しますが、国内線プレミアムクラスの場合アップグレードポイントの単価は最大でも3,750円であり多くの場合はそれ以下になるため、アップグレードポイントの単価を最大化させることを考えると国際線で使うのがベターです。
そうは言っても高いお金を払うわけだしリスクもあるので使いにくい
上の例ではアップグレードポイントの単価は4062.5円ととてもお得でした。
ただ、私のような小市民だと同じ飛行機に乗っているのに何倍もお金を出すことに抵抗感を感じます。
修行をしていた際はPP単価が指標でしたので、PPが多く貰える高い航空券を買ってマイルでビジネスクラスにアップグレードしたりしましたが、普段の旅行だと「どうせ着く時間は同じだし、体力あるから高いお金出すくらいならエコノミーで十分」とか思っちゃうんですよね。
しかも高いエコノミーBasicのチケットを買っても、満席などで絶対にアップグレードことが保障されているわけではないですからね。
3倍もお金を出してアップグレードに失敗したら悲惨です。
Basicの場合予約を変更して他の便でアップグレードを狙うことも可能ですが、HND – SINの場合手数料が20,000円ですので、もはやお得なのか損しているのか分からなくなってきます。
まぁでも国際線でのアップグレードの場合は出発の355日前から出来るので、先々のフライトであれ満席でアップグレードできないなんてことは少ないと思いますけどね。
もろもろ考えると、国際線のアップグレードって修行とか出張とかで高い運賃の航空券を買う時のおまけ、またはビジネスクラスやファーストクラスの割引購入だよなーと感じます。
ダイヤモンドメンバーなら特権は活用したい
ダイヤモンドメンバーの場合、少し事情が変わってきます。
ダイヤモンドメンバーの場合、2倍のアップグレードポイントを払えばアップグレードの対象外運賃でも搭乗当日にアップグレードが可能になる場合があります。
ざっくり言うと、座席が空いていて準備もろもろの関係でサービスが提供できる場合であれば、当日アップグレードができる場合があります。
ダイヤモンドメンバーのみに与えられた特権ですね。
先ほどのHND – SINの例だと、2倍のアップグレードポイントを払っても1ポイントあたりの価値は6062.5円と高く、また高い航空券を購入してアップグレードに失敗するリスクもないので、アップグレードが出来たら非常にお得だと言えます。
ダイヤモンドメンバーの方は積極的に当日アップグレードを狙ってみてはいかがでしょうか。
私は今現在はプラチナメンバーなので関係のない話です。
結果、国内線のプレミアムクラスへのアップグレードが多くなる
これまで見てきたように、国際線のアップグレードをするには高い航空券を買わなければならないし、アップグレードポイントをスカイコインに替えるのはレートがあまりよくないことから出来れば避けたいので、私の場合は国内線のプレミアムクラスにアップグレードするためにアップグレードポイントを利用することが多いです。
国内線のプレミアムクラスにアプグレードする場合、特典航空券を含めた多くの航空券がアップグレードの対象ですし、一律4ポイントというのも分かりやすくて良いです。
国際線航空券国内区間、予約のないオープンチケット及び団体運賃、包括旅行割引運賃はアップグレードの対象外ですが、その他の航空券なら対象なので使い勝手が良いと思います。
アップグレードの申込みは搭乗の2日前から出発の20分前まで申し込み可能です。
フライトの直前からの申込みなので満席でアップグレードが出来ないことも多いですが、国際線のように高い運賃の航空券を買うようなリスクをとる必要がないですし、ANAも出来れば有償でプレミアムクラスを売りたいでしょうから仕方がないでしょう。
有償でアップグレードする場合は、現在は路線によって価格が異なります。
よって、アップグレードポイントの価値を測る際にはこの価格をベンチマークとします。
例えば、HND – OKAやHND -ISG、HND – FUKなどは事前アップグレードは14,000円で当日アップグレードは15,000円です。
これが一番アップグレード料金の中で高額です。
この路線でアップグレードできれば、1アップグレードポイントあたりの価値は3,500円~3,750円となかなか高くてお得です。
基本的に距離が長い方がアップグレード料金は高い傾向にあり、またHND – ITMのような需要が大きい路線は距離の割に料金が高めに設定されています。
よってITM – MYJのように距離が短い路線ですと事前アップグレードの料金は3,000円と安いため、1アップグレードポイントあたりの価値は750円となり、スカイコインと交換した方が良い結果となってしまいます。
ですので、どの路線でアップグレードしてもお得とは言えませんが、普通席とプレミアムクラスとでは飛行機で過ごす時間の満足度が全然違いますので、積極的にプレミアムクラスへのアップグレードは狙っていきたいところです。
まとめ
まとめると以下の通りです。
- ANAの上級会員は前年のプレミアムポイントに応じてアップグレードポイントが貰える
- アップグレードポイントは国内線や国際線の座席アップグレードやスカイコインとの交換、ラウンジの入室に使える
- 国際線での座席アップグレードがアップグレードポイントの価値が高くなる傾向にあるが、アップグレードの対象となる航空券の種類が限らるため使いにくい
- アップグレードポイントの価値、利用体験の満足度、使い勝手の良さから、国内線のプレミアムクラスへのアップグレードで使うことが多くなる。
今、この「まとめ」は羽田空港のANAラウンジで書いています。
これから松山に向かうのですが、残念ながらプレミアムクラスは満席でアップグレードできませんでした。
プレミアムクラスへのアップグレードの受付は2日前からなので、アップグレードできないことはよくあることですので仕方がないですね。
それでも、HND -OKAやHND – FUKと言った競争の激しい路線でもアップグレードできることもあるので、なかなかアップグレードポイントは優秀ですよ。
次回こそプレミアムクラスでのアップグレードをつかみたいですね。
そして国際線がまた動き出したら、たまには贅沢して高いエコノミーの航空券を買ってビジネスクラスにアップグレードしてみたいものですね。
それでは行ってきます!