SFC・JGC修行は無駄?いや無駄ではない?

ANA

SNSやウェブサイトを見ていると、時々SFC修行などは無駄だという意見を見かけます。

結構お金かかるみたいだけど、それだけする価値あるの?

意味もなく飛行機乗るとか、時間の無駄じゃん

なんて思ったりするのも分かります。

実は私は2019年にSFC修行を行いました。

私は飛行機に乗るのは好きですが、何もせず飛行機で往復するという事には心理的に抵抗はありましたし、大きなお金を使うため長い間修行しようか悩みました。

費用対効果は置いて、私個人的にはSFCを取って良かったと思ってますし、無駄ではなかったと感じています。

ただ、それでは個人の感想で終わってしまうので、もう少し客観的に無駄なのかどうか考えてみたいと思います。

この手の話は一般的にステータス修行の費用対効果について語られることが多いですが、ここではSFCやJGC、ダイヤモンドなどのステータス修行をすることが無駄な事なのかを費用対効果だけでなく他の3つの視点で考えてみたいと思います。

修行の定義について

最近は新型コロナの影響で毎週飛行機で出張している人は減っていると思いますが、世の中には仕事等の都合で頻繁に飛行機に乗り、結果として航空会社のステータスを持っている人がいます。

一方で、航空会社のステータスが欲しいために、特定の航空会社に搭乗する人もいます。

例え出張や旅行などで飛行機を利用する際に特定の航空会社だけを使っていても、それはマイルを効率的に貯めるためであったり純粋にその航空会社を気に入ってるから利用しているのであって、搭乗回数を重ねて結果的にステータスを得てもそれを修業とは言わないでしょう。

ここでいう修行とは、専らまたは主にステータスの取得を目的として飛行機に搭乗する行為を指す事とします。

今年は、ANAについてはANAカードの利用とプレミアムポイント数でスタータスが決まるという施策が行われていますが、ここではクレジットカードの利用は修行とはせず、伝統的な意味でのステータス修行、すなわち飛行機に搭乗することについて言及します。

ステータス修行は資源の無駄か

これは分かり切っています。ステータス修行は資源の無駄です。

本来、乗る必要のないものにわざわざ乗っているのですから、資源の無駄と言えるでしょう。ステータス修行をしている人が全員修行を辞めれば、何本か羽田沖縄線を減らすことも割と真面目に可能だと思います。

「旅行だってレジャーなんだから、不要不急で無駄じゃないか。」とも思われるかもしれませんが、不要不急であったとしても無駄とは言い切れません。というのも、遠方地に旅行に行くにはどうしても飛行機を使う必要があるからです。

一方でステータス修行は、ステータスを得るためのプレミアムポイントなりFLY ONポイントなりを得ることが主目的ですから、極論航空会社がポイントをお金で売ってくれれば飛行機に乗る必要はないわけです。

私がSFC修行を行った2019年はグレタ・トゥンベリさんが話題になり、「乗り恥」なんて言葉も見かけるようになりました。
当時は、私のようにプレミアムポイントを得るために飛行機に乗る事ほど「乗り恥」な事はないだろうなと感じて、若干バツが悪かったことを覚えています。

もちろん、飛行機に乗る事自体が楽しみであったり、修行ついでに旅先で特別な経験をするといったこともあるでしょうから、100%が無駄とは言いません
修行自体が良い思い出にもなるでしょう。私は多少PP単価が悪くても行ってみたい土地に行ったり、できるだけ飛行先に泊まって意味のある旅行にするようにしていました。

個人的には、たとえ資源の無駄でも私は修行を否定しません

いくら資源の無駄でも人生の楽しみを制限するようなことではないと思います。
今後、私もダイヤモンド修行をするかもしれませんし。

ただ、資源を無駄にしてしまっているのだという意識は頭の片隅に入れておいて、その分ごみの分別をしっかり行うなど他でカバーして行けばいいのかなとは個人的に思います。

ステータス修行は時間の無駄か

これは人それぞれだと思います。

飛行機に乗るのが楽しみって方にとっては無駄ではないでしょう。

飛行機の中でブログを書いたり映画を見たりするするのも、まぁわざわざ飛行機の中でしなくてもいい事ですけど、時間を無駄にしてるとまでは言えませんね。

私はSFCの修行中に証券アナリストの受験勉強もしていたので、羽田のラウンジや飛行機の中で勉強をしたりしていました。

一番無駄なのは、飛行機に乗る時間を退屈に過ごすことです。

離陸から着陸まで飛行機を堪能したいという場合でなければ、何かしら有意義な時間になるよう準備をした方がよいでしょう。

ステータス修行はお金の無駄か

お金の無駄かどうかを論じる上では、費用対効果ミクロ経済学的な意味での効用の2つの面から考えてみたいと思います。

費用対効果について

ここでは修行の費用対効果、すなわち元が取れるのかについて考えるます。

まず費用は修行にかかった航空券代や空港までの交通費、宿泊費などとします。諸々考えると、SFCの場合60万円程度、ANAのダイヤモンド修行の場合大体100万円以上かかると言われいています。なお、ここではクレジットカードの維持コストは考えないこととします。

様々なベネフィットがありますが、この中でお金を払っても使いたいものっていうと、基本的にはラウンジの利用くらいではないでしょうか。

それ以外は、あると嬉しいベネフィットですが、お金を余分に払ってまで使うようなものではないと思います。

なので、ここでは単純化して修行の主な金銭面的な効果はラウンジ利用に限定して考えます

SFCの場合ANAラウンジを利用できますが、こちらはステータスがないエコノミーのお客さんが利用しようとすると国際線で4,000円、国内線で3,100円かかります。

例えば、今年SFCを取得した人が海外旅行に年間3回、今後30年間行くとします。

その場合、海外のラウンジの利用価値も4,000円と考えると往復で6回ラウンジを利用することになるので年間24,000円の効果があります。

単純に計算すると、24,000円×30=720,000円ですので元が取れてそうですが、今年払う24,000円と30年後に払う24,000円を一緒に考えてはいけません。

30年後に払う24,000円は割り引いて現在価値に直さなければなりません。

30年に渡る適切な割引率を考えるのは難しいのですが、ANAの社債の利回りや銀行間金利スワップの20年先の10年金利の水準から考えて、割引率はざっくり年率1%とします。するとラウンジ利用の現在価値(PV)は、

PV = Σ{24,000/(1.01)^n}
n = 1~30
annual compounding
PV ≒ 620,000円

となりますので、毎年3回くらい海外旅行に行く若い人であれば、SFCやJGC修行は元が取れると言えるでしょう。

ただ、その時々の金利環境や航空会社の事業継続可能性(すなわちクレジットリスク)等は日々変化しますので、絶対3回旅行すれば元が取れるというものではなく、あくまで目安だと思ってください。

なお、そもそもラウンジに4,000円の価値があるのかと言えば、お酒をそれなりに飲む人であれば価値があるでしょうし、飲まない人にとっては2,000円くらいの価値ではないでしょうか

なので、お酒を飲まない人であれば、年6回30年海外旅行に行けば元が取れるといったイメージでしょうかね。

この考えからすると、ダイヤモンド会員のサービス期間は長くても2年程度なので、元を取るという意味では無駄な行為になります。

ミクロ経済学的な意味での効用について

小難しく書いてありますが、これは要はマイル修行及びその特典を得ることによって、その人が主観的にどの程度満足感を得られるかという事です。

なので、旅行はハレの日の楽しみなんだからラウンジが利用できるならいくらでもお金を払うって人や、ANAやJALが大好きでそこにお金を落として結果常連客扱いしてくれるならお金なんて惜しくないって人にとっては全く無駄ではないのです。

言ってみれば、本人が納得ないし満足していれば人からお金の無駄だなんだと言われる筋合いはないのです。

この意味では、私の修行は無駄だったとは思いません。

結論

おそらくこのページをご覧になった方の中には、修行は無駄ではないか悩んでいて答えを求めている方もいるのではないでしょうか。

今回、私は修行が無駄かどうかについて①資源、②時間、③お金の3つの視点から考えてみました。他にももっと別の視点もあるでしょうし、同じ視点でも結論が異なる事もあるでしょう。

ここに書いてあるのは私個人の一意見ですが、もし何かの参考になったら幸いです。

最後の効用のところで書いた通り、最後は修行する人本人が満足するかどうかだと思います

客観的な答えになってなくて申し訳ありません。

私は修行自体楽しかったですし、そのステータスを得て旅がスムーズになったのでSFCを取って本当に良かったな、と満足しています。

私にとってはSFC修行は無駄ではなかったですし、今後コロナが落ち着いてダイヤモンド修行をやることがあるとすれば、それもきっと素敵な出来事となるでしょう。

 
P’hiro
あー、また修行したいなー。

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