航空機で移動した距離だけが唯一の指標であるANAのミリオンマイラープログラム。
SFC修行やダイヤモンド修行のように一年間飛行機に乗りまくれば達成できるというものではなく、ハーフミリオンマイラー(50万マイルの搭乗)でも達成できる人は一握りです。
また、達成したところでその特典はSFCほどインパクトがあるわけでもなく、ミリオンマイラープログラムを目指すことは、究極の自己満足だと思います。
私もミリオンマイラーには憧れを持つ一人なのですが、仕事で頻繁に出張に出かけるわけでもないので、搭乗頻度を考えると現実的には50万マイルが限界かなと感じています。
「ミリオンマイラープログラムは気になるけど、100万マイルはハードルが高い・・。」
そこで、ここではハーフミリオンマイラーの実現可能性を見ていきたいと思います。
ANAのミリオンマイラープログラムとは
ミリオンマイラープログラムの概要と特典
ANAマイレージクラブでは、プレミアムメンバープログラム(上級会員制度)の他に、ミリオンマイラープログラムという制度を運用しています。
ミリオンマイラープログラムとは、ANAマイレージクラブに入会後に搭乗したANAグループ便での総飛行距離であるライフタイムマイル(LTマイル)に応じて記念のネームタグをプレゼントしてもらえたり各種特典を受けることができるプログラムです。
LTマイルの必要数と特典は以下の通りです。
画像はANA公式サイトより引用
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/millionmiler-program/
基本的には各マイルストーンごとに記念のネームタグ(「時の証」というらしい)が贈られます。
さらに以下の通り、100万LTマイル達成時と200万LTマイル達成時に特典が受けられます。
100万LTマイル達成時
①マイルの有効期限が延長され生涯マイルが失効しない。
②スーパーフライヤーズカードに申し込める。
200万LTマイル達成時
③ANAグループ便搭乗時に生涯にわたりANA SUITE LOUNGEが利用できる
ANAのマイルは3年で失効してしまうためじっくり貯めるには向いていないポイントですので、①の特典はいいですね。
②については、100万LTマイルに達成するような人は達成前に申し込むチャンスはあったと思いますが、中には「出張族でずっとダイヤモンドを継続してた等でSFCを申し込んでいなかったけど、出張に行く事もなくなったのでSFCを申し込みたい」なんて人には有用なのかもしれませんね。
かなり限られた人にのみ有効だと思うので、②は特典ってほどのものではないかなというのが正直な感想です。
このミリオンマイラープログラムの目玉特典は③です。
200万LTマイルを達成すれば、もうダイヤモンドを維持しなくてもファーストクラスに乗らなくてもSUITE LOUNGEに入れますので、かなり魅力的ですね。
ちなみに私がなりたいと思っているハーフミリオンマイラー(50万LTマイル)はタグが貰えるだけで、その他の特典はありません・・。
上記のLTマイルはANAグループ便の搭乗で貯まりますが、上記の他にANA+パートナー航空会社の搭乗分を合わせたLTマイルもあり、100万LTマイル達成時のタグも用意されています。
こちらも特典はタグのみです。
パートナー航空会社はスターアライアンスメンバーやそれ以外にベトナム航空などANAが提携している航空会社です。
詳しくは、こちらのANA公式サイトをご覧ください。
ライフタイムマイルを貯める方法
ライフタイムマイル(LTマイル)を貯める方法は、とにかくANAの飛行機に搭乗することです。
飛行機に搭乗して飛行距離を稼ぐことでLTマイルは貯まっていきます。
そこには搭乗クラスは関係がなく、同じ飛行機に乗っていればファーストクラスのお客さんもエコノミークラスのお客さんも平等にLTマイルが貯まります。
裏技なしのガチンコ勝負の世界ですね。
搭乗クラスは関係ないので、マイルで取った特典航空券でも国内線・国際線問わずLTマイルは貯まります。
どの路線がどのくらいLTマイルが貯まるか知りたい場合は、ANAのフライトマイル・シミュレーターで調べることができます。
なお、ANA+パートナー航空会社のLTマイルの計算については注意が必要です。
ANA便に搭乗する場合は特典航空券でもLTマイルは貯まりますが、ANAのマイルを使ってパートナー航空会社の特典航空券を取って搭乗した場合はANA+パートナー航空会社を含めたLTマイルは貯まりません。
また、パートナー航空会社のマイル積算対象外の航空券を購入した場合もマイルの事後登録が出来ませんのでANA+パートナー航空会社のLTマイルは貯まりません。
それと当然ではありますが、パートナー航空会社のマイレージプログラムにマイルを登録した場合はANA+パートナー航空会社のLTマイルは貯まりません。
かなり飛行機に乗らないと100万LTマイルは無理
ミリオンマイラープログラムですので、100万LTマイルを貯めるにはどのくらい飛行機に乗らないといけないかを見てみます。
100万マイルって何キロなの?
1マイルは1.60934kmですので、1マイルは約1.61kmと考えておけばよいでしょう。
ですので、100万マイルだとだいたい161万kmですので、地球と月を2往復ちょっとした距離ですね。
ANAの飛行距離は区間基本マイルによって表示されており、この区間基本マイルはIATA(国際航空運送協会)が毎年秋に出しているTPM(運賃計算に使用する区間距離)を基準にあらかじめ定められています。
よって気流の関係で通常のルートより遠回りしたとか着陸復行で余計に飛んだからLTマイルが余分に貯まるといったものではありません。
100万LTマイルが貯まるまでの搭乗回数
ここで具体的な例を出して100万LTマイルに必要な搭乗回数を計算していきます。
国内線の場合
羽田 – 那覇と札幌 – 那覇の2つの長距離国内路線で計算してみます。
羽田 – 那覇
区間基本マイレージ 984マイル
1,000,000 / 984 ≒ 1,016 約508往復
1か月に2往復しても21年以上かかります。
札幌 – 那覇
区間基本マイレージ 1,397マイル
1,000,000 / 1,397 ≒ 716 約358往復
1か月に2往復しても約15年かかります。
数年程度、羽田 – 那覇をひたすら往復する人もいるかもしれませんが、これだけ長い年月を往復し続けるのはなかなか困難です。
そこまで苦労して得られるものはタグとマイル有効期間の廃止だけです。
国内線だけで100万LTマイルを達成するのは現実的とは言えないでしょう。
国際線の場合
100万LTマイルを達成するには事実上、国際線の搭乗が必須と言えます。
ここではアジアとアメリカから1つずつみていきます。
羽田 – シンガポール
区間基本マイレージ 3,312マイル
1,000,000 / 3,312 ≒ 302 約151往復
一か月に2往復で6年ちょっと、月1往復で12年半かかります。
かなりタフではありますが、国内線よりはだいぶ現実的かなとは思います。SINタッチとかで使われる修行路線ですね。
羽田 – ロサンゼルス
区間基本マイレージ 5,458マイル
1,000,000 / 5,458 ≒ 183 約92往復
一か月に2往復で4年弱、月に1往復で7年半ちょっと。
仕事の関係でコンスタントに月1回往復している人はそれなりに居そうですね。
やっぱり国際線を入れると一回当たりの距離が大きく延びるので、ミリオンマイラープログラムには国際線は必須ですね。
そして、この結果を見た私の感想・・
ハーフミリオンマイラー(50万LTマイル)ならどうか
100万LTマイルは無理だとしても、その半分の50万LTマイルならいけるか、ちょっと計算してみます。
まず、HND -OKAは先ほどの計算を引用すると月2往復でも10年半かかるので国内線は軸にできません。
SFCでちょっとHND – OKAを往復し続けただけで嫌気がさしてしまったのに、それを10年半も続けられるわけがありません。
私の場合、妻がタイ人でタイに行く機会が多いですし、タイなら何回でも行きたいので飛行機で往復するのも苦ではないです。
ちょっと計算してみるます。
羽田 – バンコク
区間基本マイレージ 2,869マイル
500,000 / 2,869 ≒ 174 約87往復
2か月に1回往復で14年半
あまりライフタイムマイルを意識すると気が遠くなるので、おまけ程度に楽しむのが良いのかもしれませんね。
まとめ
あらためてミリオンマイラープログラムについて考えてみると、なかなかタフな勝負です。
しかも、そのタフな勝負に勝っても特典は思ったほどでもないという。
なので、ミリオンマイラープログラムは修行してまで達成するようなものではないと考えています。
費用対効果があまりにも釣り合ってませんし、挑戦期間があまりにも長すぎます。
タイトルを「ハーフミリオンマイラーを目指したい」としましたが、絶対達成するという意気込みではなく、人生のマイルストーンとして50万LTマイルは目指したいなーという程度です。
ドイツに行くときは、ルフトハンザではなくANAに乗ろうとかその程度のものです。
頑張って50万LTマイルを達成しても得られるものはネームタグだけです。
ネームタグだけのために飛行機に乗るのは、言うまでもなく割に合いません。
ただ、ハーフミリオンマイラーという目標は頭の片隅に置き続けていきたいなとは思います。
飛行機に乗って旅を沢山楽しんだ先に50万マイルのネームタグが貰えれるならば、味のある人生だと思いませんか。