以前、クアラルンプール滞在記を書きましたが、その時はクアラルンプールは経由地でタイが最終目的地でした。
その時は、
成田 ⇒ クアラルンプール ⇒ バンコク ⇒ 羽田
のルートで旅をしたのですが、特典航空券を活用してあまり大きな費用も掛からず周遊することが出来ました。
仕事などで忙しい時間をやりくりして海外旅行に行くわけですから、
ANAのマイルで取れる国際線特典航空券は2種類ある
ANAのマイレージを貯めて特典航空券を取ったことのある方は多いと思います。
この特典航空券、国際線ではANA特典航空券とスターアライアンス特典航空券の2種類が存在するはご存知でしょうか?
どちらもANAのマイルで取得できる特典航空券ではありますが、いろいろと利用条件が異なります。
なお、スターアライアンス特典航空券と書きましたが、正しくは提携航空会社特典航空券と呼び、スターアライアンス加盟航空会社の他、ベトナム航空などスターアライアンスではない提携航空会社も含まれます。
ただ、スターアライアンス以外の提携航空会社で特典航空券を取る場合、単一の提携航空会社運航便での旅程のみ利用可能ですので、ここでは周遊という趣旨からあえてスターアライアンス特典航空券と呼びます。
ANAで国際線を予約する際、複数都市を巡るルートで予約することが可能です。
そして一定の制約はありますが、特典航空券でも複数都市を巡るルートを選択することができます。
国際線で複数都市を巡るということはANA以外のフライトも利用することになりますので、複数都市で特典航空券を取る場合はスターアライアンス特典航空券となります。
(ANAは以遠権フライトを行っていませんので、出発地か到着地は必ず日本になります。)
スターアライアンス特典航空券で周遊するメリットや利用条件
特典航空券の利用条件はとても複雑ですので、ここでは周遊に関連する利用条件をいくつか取り上げて、特典航空券で周遊するメリットなどを見ていきます。
詳しい特典航空券の利用方法は、こちらのANAサイトをご覧ください。
出発地から必要マイルが最も高い地点を目的地とする
日本(Zone1-A)からフィリピンを除く東南アジアにスターアライアンス特典航空券で行く際に必要なマイル数は35,000マイルです。
ただ、周遊の場合は国際線が往復2区間ではないため出発地は日本(Zone1-B)となり、その場合は38,000マイル必要になります。
途中降機は往路か復路で1回できる
スターアライアンス特典航空券での途中降機は、往復通して1回まで可能です。
途中降機とは経由地に24時間超滞在することです。
一方、乗り換え(24時間以内)は往復ともに日本国内2回まで、日本国外も2回まで可能です。
途中降機も乗り換えの回数に含みます。
ですので、下のようなルートで巡っても38,000マイルで済みます(燃料サーチャージ等の費用は若干高くなりますが)。
台北でのトランジット時間にご飯食べたりしてちょっと遊んで、バンコクとクアラルンプールで観光してなんてことも出来ますね。
途中降機や乗り換え回数に制限はありますが、少しマイルとサーチャージ代などを足すだけでこれだけ飛行機に乗って周遊できるのが、特典航空券での周遊のメリットと言えるでしょう。
ちなみに、お金を払って冒頭のクアラルンプール経由バンコク周遊をやると、レギュラーシーズンでも25万円前後かかります。
周遊すると片道区間部分が生じるため、その区間はSuper Valueなどの割引運賃が適用されないのです。
乗り換え地点から目的地までの必要マイル数が出発地から目的地までの必要マイル数を超えるような旅程は組めない
周遊ルートを設定するにあたっては、出発地から目的地が一番必要マイル数が高くなるような、直線的なルートを組む必要があります。
例えば、東京 ⇒ ソウル ⇒ ロサンゼルス ⇒ 東京のルートは不可です。
出発地の東京からロサンゼルスより、経由地のソウルからロサンゼルスの方が必要マイル数が多いためです。
ただ、クアラルンプールとバンコクのように、同一ゾーンであるため必要マイル数も同じところを経由地と目的地にするルートは設定可能です。
スターアライアンス特典航空券にはシーズンチャートはない
ANAの特典航空券って、国内線も国際線も時期よって同じ路線でも必要マイル数が変動しますよね。
正月やゴールデンウィークにの時期は、必要なマイル数も増えるとか。
一方、スターアライアンス特典航空券については季節に関係なく一年中必要マイル数は一定です。
そして、スターアライアンス特典航空券の必要マイル数はANA特典航空券のレギュラーシーズンと同じマイル数になります。
ANAのローシーズンやハイシーズンというのは日本のカレンダーに基づいて設定されているものですので、グローバルな特典航空券であるスターアライアンス特典航空券にはシーズンチャートを設定する意味がないのでしょう。
当然、直行便で行くのであればハイシーズンはスターアライアンス特典航空券で、ローシーズンはANAの特典航空券で取るのがお得です。
周遊の場合、スターアライアンス特典航空券しか選択できませんが、それでもハイシーズンの方がお得感はありますよね。
また、ハイシーズンだと直行便の特典航空券が取りにくいことが多いですが、スターアライアンス特典航空券で経由地を加えれば経路を変えれば特典航空券が取れるチャンスが増えます。
普通の航空券でも安く周遊できる場合もある
ここまで特典航空券を使った周遊について書いてきましたが、航空券の買い方によっては特典航空券でなくても安く周遊できることもあります。
先ほど東京からクアラルンプール経由でバンコク行きの航空券を買うと、Super Valueなどの割引運賃が適用されないのでエコノミーでも25万円くらいかかると書きました。
では、つぎの場合はどうでしょう?
これは2022年1月に東京からクアラルンプール、バンコクから東京へ戻ってくるオープンジョーのエコノミー運賃です。
この場合、割引運賃であるValueが適用されますので、バンコクやクアラルンプールを往復する航空券とあまり値段は変わらないです。
どの組み合わせが割引運賃の対象になるかは運賃規則一覧でご確認頂くか複数都市検索でいろいろ調べてみてほしいのですが、地理的に近い地域同士だと割引運賃が適用されるようになっています。
ただそれも絶対ではなく、インドとタイの組み合わせは割引運賃が適用されますが、タイとフィリピンは適用されません。
クアラルンプールからバンコクへ渡るには、別途航空券が必要です。
タイ国際航空がクアラルンプールからバンコクまで飛行機を飛ばしているのですが、片道航空券だと6254MYRですので16万円くらいかかってしまいます。
先ほど周遊のチケットを買うと25万円くらいすると書きましたが、この航空券が非常に高かったわけですね。
そこで、クアラルンプールからタイへ移動するにはLCCを活用する手があります。
LCCだと片道だけでも安く購入できます。
クアラルンプールからパタヤのウタパオ空港ですとコロナ以前は1,2万円くらいで行けました。
そういった方法を使えば、特典航空券でなくても安く複数国を周ることができます。
ただ、お得感や航空券予約が一度で済む点、遅れやすいLCCを使わないで済む点などを考慮すると、特典航空券で周遊する方が良いかなとは思います。
まとめ
ここまでのお話をまとめると次の通りです。
- ANAマイルで取れる特典航空券はANAとスターアライアンスなどの提携航空会社の特典航空券の2種類ある
- スターアライアンス特典航空券なら国際線で複数都市を周ることができる
- ただし、乗り換えや途中降機の回数には制限がある
- 直行で目的地に行くのに必要なマイル数に少しマイルを足せば周遊できる
- 周遊できるルートは一定のルールがある
- スターアライアンス特典航空券の必要マイル数は年中同じでANAのレギュラーシーズンと同数
- 普通の航空券で周遊すると一般的に値段が高くなってしまいがち
- LCCの片道航空券を活用すれば普通の航空券でも安くできるかも
- でも諸々手間やコストを考えると特典航空券で周遊するのが一番良いと思う
特典航空券にはいろいろ複雑なルールがあり分かりにくい反面、いろいろ旅程をアレンジしていく楽しみがあります。
ここでは全てのルールは載せていませんし、実はANAの公式サイトには載っていないけど存在するルールなんてのもあります。
そういったものを探ったり調べたりするのも、旅行の楽しみ方なのかなと思います。