6月22日付のバンコクポストの報道によると、コロナ禍によって深刻化している家計債務問題に対応するため、タイ中央銀行は消費者向けの金融サービスの金利の上限を引き下げるとのことです。
タイ家計の借金率はかなり高いですからね、上限金利を下げることは消費者への大きな救済措置と言えるでしょう。
でも、実際今現在どの程度の金利なのかと思って見てみたら、
報道された上限金利の改訂
今回引き下げの対象になっているのは、上限金利が20%超の消費者向けファイナンスです。
引き下げ幅は1~2%程度を想定しているそうです。
対象となる主な金融商品は、消費者金融や自動車ローン、ナノ・ファイナンスやピコ・ファイナンスといったものです。
自動車ローンを年率24%で借りるとか正気ですか
タイでは日本より車の値段が高いです。
同じトヨタの車種でも日本より1.5倍くらい高いなんてことはザラです。
そのうえタイ人の所得はまだまだ日本人よりは低いわけですから、タイ人にとって車を購入することがいかに大変なことなのかは想像に難くないでしょう。
でもそれでもローンで車を買ってしまう人が多くいるわけです・・。
月給が15,000バーツなのに、中古車のローンで毎月10,000バーツを支払っているなんて人がいますからね。
しかも10年ローン笑
年率24%なんていったら、最初の方はほとんど元本減らないで利息ばかり払っているようなものです。
ってか、仮に100万バーツを年率24%で借りたら利息だけで毎月2万バーツですから、
月々1万バーツの支払いでは借金が減るどころか増えていってしまいます笑
さすがに、まともな金融業者でそんな貸し方するのはおらんでしょうけど、タイも闇金がはびこってますからね、そういう連中は債務者を破滅へと追い込むのです。
それにしても、給料の半分以上を返済に充てるような借金をするってのはすごい話ですけど、タイでは結構あるあるな話のようです。
タイ人は、おおらかな人が多いのでしょう。
当然そんな生活は続かないので、そのうち車は借金のカタに持って行かれてしまうのです・・。
タイの家計債務残高はGDPの89.3%
バンコク・ポストによると、2020年末時点のタイの家計債務残高は14兆バーツ(約50兆円)と、タイのGDPの89.3%にあたります。
2019年末ごろはGDP比80%を下回っていたので、10%ほど比率が上昇しています。
これは、国内経済がコロナで縮小したことに加えて、コロナで収入が減った人が借入を増やしていることが要因ですね。
2019年との対比でみると、約1兆バーツ債務残高が増えているわけですから、タイの人々の苦しい経済環境がうかがえます。
とりあえず早いとこワクチン打ってタイに旅行に行こう
さしあたってタイ経済を回していくには、主力産業の観光を再開させなければなりませんね。
プラユット首相も「コロナ感染拡大のリスクを受け入れても、国境を開かなければならない」と6月に演説していましたし、タイもその方向にシフトしたのでしょう。
私もそろそろワクチン打てそうなので、年内にはタイに行って(微力にもなりませんけど)経済を回してこようと思います。
中長期的には産業構造の転換も図らなければならないでしょうけど、いかんせんタイはシンガポールやマレーシアみたいに元気なスタートアップが育ちにくく、財閥が経済を牛耳ってる社会ですからね、
もうちょっと解放的にならないと先は明るくないですぜ。